ニュースリリース
2021.02.01

ARヘッドアップディスプレイを納入開始 ~新技術「DMD方式」を用いた、日本精機初のAR-HUDの採用~

日本精機株式会社(本社:新潟県長岡市、社長:佐藤 浩一)は、新技術である「DMD方式(※1)」を採用した当社初のAR(Augmented Reality)ヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)を納入開始いたしました。

HUDは、ドライバーの視界内のフロントガラス等に、車速や警告、ナビゲーション表示などの様々な情報を透過的に表示するシステムです。ドライバーの視界移動を最小限にすることで、安全運転をサポートし、また快適性を向上するシステムとして、欧州、米州、中国を中心に市場が拡大していく見込みです。

当社は2020年9月よりMercedes Benz AG(以下、メルセデス・ベンツ社)の新型「メルセデス・ベンツSクラス」用HUDを納入開始いたしました。
Sクラスに搭載されるHUDは車両のフロントガラスに投影するウインドシールドタイプのHUDで、これまでにない広画角・遠方表示の仕様となります。従来のTFT方式(※2)では仕様要求を満たせないため、プロジェクター等で用いられているDMD方式を採用いたしました。これにより、広画角・遠方表示・高い色再現性・太陽集光への高耐性を実現するとともに、当社の長年培った光学技術により、表示画像の歪みの解消を可能としています。
また、今回搭載されるHUDには、当社初のAR-HUDを採用しています。既に納入しているGLE/GLSクラス用HUDが約3m先に12インチサイズの表示であるのに対し、今回搭載されるAR-HUDはドライバーの視点から約10m先におおよそ77インチサイズで、各種情報が現実の視界に重ね合わされるように表示されます。これにより、表示距離とドライバーの視認距離の差が小さくなり視認性が向上することで、従来以上に安全性と快適性に寄与します。

当社は2018年9月よりメルセデス・ベンツ社にHUDを納入しておりますが、2020年2月にサプライヤーアワード2020でイノベーション賞を受賞するなど、メルセデス・ベンツ社より設計・製造品質、技術力、サポート面で高い評価を受けており、今回のSクラスについてもHUDサプライヤとして選定していただくに至りました。

今後も市場の伸びが期待されているHUD市場において、当社は、強みである光学設計・生産技術、設計から製造までの一貫した生産体制、顧客対応力/サポート力、グローバルに展開する開発拠点・製造拠点を活かして更なる売上拡大及び安心、安全な車社会への貢献に努めてまいります。

 ※1 DMD方式:LEDをDMD(Digital Micro mirror Device)に入射し、DMDのON/OFFで映像を描画する方式
 ※2 TFT方式:LEDバックライトを液晶パネルに透過させ、映像を描画する方式

<当社納入製品 HUDスペック>

 ※3 アイボックス:ドライバーから見て虚像が両眼で視認される範囲(範囲から外れると表示が歪んだり、見えなくなる)            

<HUD表示例>

【参考動画】
Meet the S-Class DIGITAL,
https://media.mercedes-benz.com/s-class?video=3cf9cf47-17ae-4c80-9787-58e509fede88
(00:11:28~00:11:52)  ※左記時間帯でHUD表示例が登場します